その歯、残しますか?抜きますか?
- 2023年10月25日
- お知らせ
こんにちは、たつみなかにし歯科医院です。
今回はいつもと違う感じのタイトルで驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。
”その歯、残しますか?抜きますか?”
そう言われて、「抜きます!」という方は少ないかと思います。
誰しも自身の歯は抜きたくないですよね。
そして我々歯科医師も、出来ることなら歯を抜きたくありません。
両者の意見は一致しているのに
”なぜ抜かなければならないのか?”
我々がしたくもない抜歯に踏み切らなければいけない時は3つあります。
①歯周病が末期まで進行し、歯がグラグラしているとき
②むし歯が骨の中まで進行してしまっているとき
③歯が折れてしまっているとき
順番に見ていきましょう。
①歯周病が末期まで進行し、歯がグラグラしているとき
歯の周りには歯を支える歯周組織と呼ばれるものがあります。
歯周組織とは、顎の骨であったり、歯の周りにある歯茎のことをさします。
歯周病とは、この歯の周りの組織、つまり歯周組織が破壊される病気のことをいいます。
以前は、歯槽膿漏という名前で呼ばれていました。
この歯周病が末期まで進むと骨は歯を支えきれなくなり、グラグラ動き出します。
最悪の場合、勝手に抜けてしまいます。
さらに歯周病が厄介な点は、進行時に痛みを伴わないことが多いことです。
歯茎が腫れたり、歯茎から出血したり、歯周病が進行しているサインは身体が出してくれますが、
痛みを伴わないので、歯科を受診する方が少ないのも事実です。
なので、もし歯周病がどんどん進行し、痛みを伴うようになったら、
重度の歯周炎に罹患していることが多いということを忘れずに、
必ず、手遅れにならないよう、近くの歯医者で構いませんので定期的に診てもらうようにしてください。
上記のように歯周病が末期まで進行すると、歯はグラグラと揺れ、歯の根っこが露出し、
噛むと痛みを伴うようになってしまいます。
右側のレントゲン写真を見ると、根っこの先を黒い影が囲んでいるのが分かります。
これは、骨が溶かされてなくなっているところに、膿が溜まっているという像になります。
②むし歯が骨の中まで進行してしまっているとき
歯はむし歯になると穴があいて、冷たいものや熱いものの刺激を感じやすくなります。
また噛んだりしても痛みを伴ったりするので、歯科医院を受診していただくことは多いかと思います。
その際、痛みが強かったり、むし歯が深過ぎて歯の神経を抜かないといけないケースもあります。
歯の神経を抜くと、外からの刺激に一切反応しなくなります。
治療した歯が再度むし歯になったとしても、定期検診に行っていなければ、
むし歯の進行に気づくことは出来ません。
その結果、虫歯が知らない間にどんどん進行し、ある時点で歯ごと被せが外れてしまいます。
むし歯を全て取り去った結果、歯茎の上に歯がなければ歯を被せることが出来ませんので、
その時も残念ながら、歯を抜くという方法しか取れなくなってしまいます。
上の写真は歯の根っこだけが残っている写真になります。
レントゲンからも歯の根っこが浮遊しているのが分かります。
また歯が残っていそうでも、むし歯を取り切ると上記のような状態になってしまうことも珍しくありません。
そういった場合は、泣く泣く抜歯をせざるを得なくなってしまいます。
そうならないために、痛みがなくとも必ず定期検診を受診しましょう。
③歯が折れてしまっているとき
むし歯が大きく進行し、やむをえず歯の神経を抜かなければいけなくなったとき、
神経を抜いた歯は、神経を抜いていない歯に比べて、歯の強度は半分以下に下がってしまいます。
そのため、長期間経過する中で、歯が劣化によって割れてしまうということも珍しくありません。
歯が割れる瞬間は、電気が走ったような痛みを伴いますが、歯に入ったヒビが徐々に大きくなり、
気づかないうちに割れているということもあります。
神経を抜いていると痛みの感知しにくくなるので、知らず知らずそういったことが起きてしまうのです。
歯が割れるとそこに細菌が好むスペースができるので、歯茎が腫れたり、違和感が出たりします。
写真でもレントゲン写真でも、歯が真っ二つに割れていることがわかるかと思います。
こうなると、歯周組織に悪影響しか及ぼさないので抜歯を検討せざるを得なくなります。
全体の噛み合わせのバランスやマウスピースを駆使して、ご自身の歯を守っていきましょう。
抜歯を検討する3パターンについて説明しました。
とはいえ、歯茎の上に歯がなくても、歯を矯正によって引っ張り出したり
歯周病が重度に進んでしまっても、再生療法によって、歯周組織を再生したり
当院では、なるべくご自身の歯で生涯美味しいご飯が食べれるよう
最後の最後まで諦めません。
他院で抜歯と言われても、なんとか残す方法がないか模索し、手を尽くします。
それでもすでに手遅れで、救えないケースは確かにありますが
抜歯と言われたけど、なんとか自分の歯を残したい。。という方は、ぜひ一度当院でご相談ください。
セカンドオピニオンでも構いません。
残すための方法を一緒に探していきましょう。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!!